食品銘柄の3Q決算をまとめてチェック、投資は先々を考えてから
1月30日は3月決算企業の3Q発表がピーク。大量の発表があったわけだけれど、全体を総括するのは非常に簡単ですな。
自動車、電機、資源、素材、機械などなど、およそ景気敏感な企業の業績はボロボロ。絶頂なのに絶頂とは思わなくなってしまった下方修正で大赤字転落も全然珍しくない。
一方で、食品、小売り、外食などの内需株には意外と業績堅調な銘柄が多い。セクター内でも企業ごとに業績の強さは全然違っていて、良い会社と悪い会社に二極化している。
例えば食品関連ではこんな企業は好業績を出しているわけです。
ブルボンが大きく上方修正。
前期の業績は前々期に比べてかなり減益だったので、その反動も確かにある。しかし、回復できるだけでも立派ですよね、景気敏感企業に比べれば。個人的にはブルボンのお菓子は好きじゃないけれど、そんなことはどうでもいい。
日本食品化工はブッちぎりの業績数字。売上高こそ減額したけれど、利益は大きく上方修正。
理由は簡単で、製品値上げで販売数量が落ちたので売上は減ったけれど、利益率が改善して儲けが沢山出たってこと。
利益率の改善は値上げだけでじゃなくて、原材料価格の下落もありましょう。トウモロコシが原材料。トウモロコシの価格がどうなっているか、今さら言うまでもない。
ハウス食品にしても第3四半期は好決算で、通期も減収ながら大幅増益を計画。まあこの減収は売上計上方法の変更のためであって、従来方式での売上では増収ですな。
消費者は懐が寂しくなると外食を控えるようになる。そりゃあたりまえ、外食は内食に比べて高いから。そういう流れもハウス食品にプラスに作用する。
原材料価格の高騰は落ち着きを見せ始めたものの
と書かれはいるが、原価率は改善しない。売上以上に利益が伸びているのは販管費をカットしたためですな。広告宣伝費や販売手数料、販売促進費などコントロールできるものが多いわけ。
東洋水産は40%近い利益の増額。
販売環境の変化、原料価格の値上がりなど厳しい環境下であったものの、一部製品の値上げや販売促進費等の減少
この説明の通り、原価率は改善していない。原料価格、この場合は小麦ですな、は猛烈に下がってはいる。しかしながら、日本の小麦価格は政府が決めるわけで、価格改定は年2回。よって、コモディティーとしての小麦価格の下げは、すぐに日本国内の小麦価格には反映されない。
しかし、今、が問題じゃない。
これから原料価格は確実に下がる。そういう先々が株式投資には必要なのは言うまでもない。
もっと言えば、今さら原料価格が下がるとか、そんなことを言っていては遅過ぎって事ですよ。そんなことはもうみんな知っているし、株価にも織り込まれている。
だからそんな材料で今さら買っていくのはバカげているわけ。
日清製粉の第3四半期を見ればそれがよく分かると言えましょう。
業績は良い。しかし株価は上がっていない。
結局、コモディティーとしての小麦価格の上下がどう製粉会社に影響するのか、そしてその影響で製粉各社は製品価格をどうするのか、その価格変動が消費活動にどう影響するのか、そういう流れで株価は決まっているわけ。
だから、今さら業績数字を眺めてどうこう出来るはずもないでしょ。それじゃあ遅すぎなんですな。さらにここからどうなるかを考えないとね。
業績がダメなのは飲料ですな。例えば、コカ・コーラ ウエストは下方修正。
なにもこういう減額はコカ・コーラ ウエストだけじゃなくて、コカ・コーラのボトラー各社は下方修正を連発している。伊藤園やダイドードリンコだって厳しいのは変わらないはず。
同じ食品でもコカ・コーラなどの飲料系がダメな理由はただ一つ。値上げできないから。
そのそも缶飲料なんてものは120円だか150円だかと決まっている。それを10円値上げするのはえらいことなんですよ。
昨年には、2009年の春には値上げする、っていう方向にあったわけですが、結局それも今の経済状況では消費者に受け入れられないだろうって事で飲料値上げは撤回された。これは致命的じゃないですか?
でもね、それだからこそ投資対象としてはいいんじゃないかと。
飲料各社の原材料は砂糖とアルミと原油と香料。香料は別としても、その他の原材料価格は下がる。業績の悪さに気を取られ、そういう要素が全然織り込まれていないような感じがするわけですよ。ちなみに、砂糖って言うのはトウモロコシから作る砂糖ですな。異性化糖と呼ばれる。
これを作っているのが、上に出てきた日本食品化工。日本食品化工が儲かっていることから、異性化糖の値段が高いことが分かりますな。実際、この異性化糖は原料トウモロコシの価格や運送燃料費、つまり原油価格、の上昇と共にずっと上がってきた。
それがようやく下げる気配がある。飲料各社がこの恩恵を受けるのは間違いない。
最後に日清食品ホールディングスの第3四半期決算。
好業績であって欲しいわけだが、業績数字は良くない。東洋水産は良い数字なので、当然日清にしたって良い数字を期待するわけだけれど、そうもなっていない。
日清は2008年1月にラーメンの値上げをした。この時、ラーメンの売上は信じられないほど落ち込んだ。こうなるともう恐くて値上げは出来なくなる。
4月と10月に輸入小麦の政府売渡価格がそれぞれ約30%、約10%引上げられましたが、当社グループでは、改めての希望小売価格の引き上げはお客様に受け入れられないため、再値上げは行わず現状の価格を据え置きました。
それにカップラーメンの異臭騒ぎなんかもあり、その分のコストもかかった。
ここまで出てきた食品関連企業は30日に決算発表があった会社だけ。他にも食品関連企業で業績の良いところは沢山ある。各社、流れは基本的に同じですな。
で、こういう感じで食品各社の業績を眺めてどうなの?
何度も繰り返しになるけれど、業績好調だから買いって、そういうのは遅すぎる。株式相場はそんなにのろまじゃない。
それに関しては、長くなったので別のエントリーでメモっておこう。
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