2009/03/16 11:11

この世でいちばん大事な「カネ」の話 by 西原理恵子 ★3

ようやく今年2冊目の読書。なるべく沢山の本を読もうと毎年思うわけですが、なかなかどうして。。。

この世でいちばん大事な「カネ」の話
西原理恵子

 ・総合得点:★★★☆☆(満点★5)
 ・こういう人向き:ギャンブルの怖さを知らない人、投資とギャンブルの区別ができない人、自伝が好きな人
 ・向かない人:投資本を探している人、お金の大切さや怖さを知っている人、専門的知識を求めている人

「カネ」の話、とありますが、読む人によっては全然カネの話に感じないと思う。筆者にとっては深く深くカネの話なんだろうけれど、投資的なカネを考えようと思っている人にはカネの話にならない。

つまり、カネのなんたるか、が書かれている。人にとってカネはどういうものなのか、みたいな。だから投資してカネを儲ける方法、どうやってカネを儲けるか、について書かれているわけではない。投資本じゃないって事です。

筆者はとても貧乏な子供時代を過ごしてきているそうで、それが具体的に書かれている。貧乏話は沢山あるので特に新鮮味はないかも知れませんけど、個人的には読んでいて面白いですね。

面白い、というと語弊がある。ありすぎる。面白いの意味するところは、笑えるとか楽しいとかではないですよ。心に響くというか、考えさせられるというか。

それは、ああそうか、そんな貧しい人もいるんだ、っていう「考えさせられる」ではない。もしかすると明日は自分がそんな風になっているかも知れない、っていう事。

そういう意味で、投資するにしてもよくよく考えないといけないし、まさか自分の投資行動が実はギャンブルなんじゃないかって、考える機会になる。

そもそもこんな事は、長いこといろんな投資をしてきて今さら考えることではない。けれど、どうしても忘れがちになるし、芯がぶれることもある。だから機会あるごとに思い出すのは悪い事じゃない。

株をやっている人たちだって、「この瞬間に決済をすれば、何千万円の儲けが出る」といいうことがわかっていても、まだじーっと株価の様子を見ている。もしかしたら、もっと儲かるんじゃないかと思うと、なかなか決済の判断ができない。

商売だってそう。売り上げがいまいちになってる店が、五百万円かけて店をリニューアルしたとしようよ。それでも客の入りが悪い。一ヶ月に百万円ずつ赤字が出る。その赤字は毎月増えていく。でも「五百万もかけて店を新しくしたんだから」って思うと、ここでもうやめようという決心ができないものなのよ。

そうして「引き時」を見誤って、お店を潰してしまう。

大手の企業なんかだと、「赤字がこのくらい出たら、その部門は撤退」というマニュアルをあらかじめ決めてあるんだよ。そのくらい引き時を見極めて、ちゃんと「やめる」という決断をするのって、本当に難しいものなんだって思う。

ここでやめたら、ゼロどころかマイナス地点に立つしかない。「あとがない」という状況に立たされたら、マニュアルのない個人が、なかなか、やめられるものじゃない。

分かっているんです。みんな心では分かっているんです。でも損切りができない人、一杯いる。ここまで下げたんだからもうそろそろ反発だ。反発してから売るんだ。そうやってずるずるとどこまでも行く。ここで大逆転だって、信用レバレッジで突っ込んでしまう人もいる。

筆者はFXも体験していて、1000万円を溶かしたという。あっという間に。どうやら、何かの雑誌の連載で、1000万という身銭を切ってFXをやったらしい。麻雀でもトータル5000万は持って行かれたらしい。

貧乏からお金持ちになれて良かったね、っていう話じゃないですよ。

内容紹介(Amazonより)

西原理恵子が「カネ」を通して自らの生き様と理念を語る初の自伝的エッセイ登場!故郷での貧しさゆえの八方ふさがりの生活。東京に出てきて学校に通いながら自分の絵を出版社に持ち込み次第に認められて行く。そしてギャンブル、アジアへの旅で出会った貧しい子ども達、大切な家族の事。

「お金」について考える事は人間関係・仕事関係、つまり自分と世界との関わりにつながっていくのです。漫画で描かれた西原ワールドがより深く・よりリアルに迫って来る1冊。西原ファンならずとも納得・感動の1冊です!

アマゾンのおすすめ度は結構高くて、53件のカスタマーレビューで4.5星(5星満点)。ベストセラー順位は89位、エッセー・随筆部門では4位。それなりに話題の本なのかもしれない。

 

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