アーカイブ: 2009年7月 3日

2009/07/03 12:12

メイテック、技術系人材派遣の最大手、同業に頭一つ以上抜けている

~ 業界平均3000円を遥かに超える5000円という高単価がメイテックの全てを物語る。 ~

メイテックは技術系人材派遣の最大手。

2009年3月期の業績

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売上げ800億円のうち、派遣事業が744億円で売上げに占める割合は93%。そのうち、自動車、電気・電子機器、産業用機械、半導体、情報通信の5業種で73%。

残りはエンジニアリングソリューションの32億円(4%)とグローバル事業、キャリアサポート。後ろの2つは無視して良い。エンジニアリングソリューション事業は、3次元CAD、プリント基板及び解析関連技術等の技術支援。

前期比でそれほど大きな減収減益になっていないのは、派遣契約が切れるのは3月末だから。これは、今2010年3月期の数字を見れば分かりやすい。

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2010年3月期は4月から契約更新がされず、大きく減収で大赤字。業績予想数字には雇用調整助成金は含んでいない。会社曰く、「本業だけの数字が本当の数字だから。」

今期業績の前提条件

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稼働率は下半期に82%まで回復。稼働率80%で黒字になる。この数字が高いのかどうか、下の方に稼働率の推移を載せる。

1996年からの業績推移

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世界中が好景気に浮かれて業績を伸ばしていた2003年から、メイテックはそれほどは業績を伸ばしていない。景気が良いと企業は自社で採用する。そうするとメイテックは採用難になり、仕事はあれど、人がいないような状況だった。

好景気では人がいなくて業績が伸びず、不景気では契約が無くなって業績が伸びず。これをどうするのか、社長の言い分としては、今回の不景気で技術者が就職すべき企業をはっきり認識するはずだ、と。

セグメント別の売上高

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自動車、電気・電子機器、半導体の関連が多い。日本が日本である産業ですな。

トップ10の顧客

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日本を代表する企業ばかり。売上げ依存度が高い顧客はないし、顧客ベースはとても広い。良いです。

月間新規受注件数

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250件が好調の目安数字。足下は100件という悲惨な数字。

稼働率の推移

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95%が好調の目安。2009年4月は71%で過去にない低さ。

稼働時間

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一人当たりの稼働時間が9.2時間を超えると忙しい状況。残業などが十分あるって事ですな。

技術社員の数

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派遣単価の推移

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業界平均の派遣単価が3300円のところ、メイテック全社で5000円。フィールダーズが3600円。

月次の稼働率が発表されているので確認する必要あり。直近5月の稼働率は68.8%。4月の69.8%からさらに悪化。通常であれば、4月の稼働率が一番低くて、徐々に上がっていく。新卒社員が派遣されるから。

自己資本比率は66%。借入金はゼロで、現金をたっぷり持っている。キャッシュフローは非常に良い。

2009年3月期の原価率は93%、経常利益率は11.6%。

株主還元は積極的で、配当がしっかりしているし、自社株買い・償却も進めている。

外国人持株比率が高い。

技術系人材派遣の会社の中ではダントツに内容が良い。

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ビジネスサービス
メイテック 人材派遣 技術系人材派遣 研究開発



2009/07/03 11:11

技術系の人材派遣は日本企業の研究開発には欠かせない

~ 常用型の技術系人材派遣は、事務などの登録型派遣や製造現場派遣とは別に考える。 ~

個人的には終身雇用制度には反対だし、企業はもっと柔軟に従業員を解雇できた方が良いと思う。その方が雇用は安定するし、人材も育つし、企業の競争力は上がる。もちろん、最初はものすごく痛みを伴うだろうけどね。

全く正反対の考えの人は多い。特に政治家や企業経営者には反対の考えの人が多い。

でもね、実際には、政治家や経営者の中には表向きそう言っているだけの人が沢山いるんじゃないですか?そう言わないと世論の袋叩きにあうからね。

現実問題として、日本の雇用が欧米型になることはないのでしょうね。そういう文化、と、文化という言葉で簡単に片づけてしまうのは気が引けますけど、それが簡単だし的を射ていて良いでしょ。

だから派遣が増えるのは仕方ない。フリーターも増える。非正規雇用ってやつですな。

これから派遣にはいろいろ規制がかかりそうだし、少なくとも追い風は全く吹いていない。特に製造業派遣は禁止されてもおかしくない。事務などの派遣を含めて登録型派遣はそういう状況。

でも、常用型派遣はちょっと違う。専門の技術や技能を持った技術系人材派遣。これはなくならない。最大手のメイテック。2位集団がアルプス技研とVSN。後は小粒で日本テクシード、アルトナー、ヒップ、ジェイテック。ちょっと対象範囲が違ってWDB。

メイテックは最大手だけあって同業他社に比べて全てが頭一つ以上優れている。

ファンドマネージャーの山本潤氏がメイテックのレポートを書かれているので読んでみるべし。最近山本さんが個別企業について書くことはほとんど無くなってしまった。久しぶりに個別企業レポートを読んで、ボトムアップアプローチ型の個別企業調査の面白さを再認識したわけです。

研究開発は、その性格を考えると、山本さんの言うとおり、企業の業績回復よりずっと先に動き出すのでしょう。7~9月にメイテックの稼働率が急速に持ち直す可能性があるという指摘もうなずけるし、希望的観測だと切り捨てるわけには行きますまい。

で、メイテックなんだけど、株は安い。

せっかくの機会なので、これまで余り投資対象として気にしたことがなかった技術系人材派遣会社の概要をいくつかのエントリーで調査メモしておく。

ビジネスサービス
VSN アルプス技研 メイテック 技術系派遣 派遣

2009/07/03 11:11

アメリカ経済の見通しは明確、そこで株価はどうなるかを考える

~ 緩やかな景気回復はその通り、その程度が問題だし、期待や希望が株価を左右する。 ~

サンフランシスコ連銀のJanet Yellenのスピーチ内容。

President’s Speech, Presentation to the Commonwealth Club of California

下記はその抜粋。この通りの見通しがコンセンサスでしょう。分かりやすくまとまっているので読んで損はありますまい。

みんな分かってはいる。でも人それぞれ、景気回復の程度の考え方が違う。確かに景気回復はするとしてもゆっくりじっくりになる。ゆっくりじっくりにも人それぞれ期待・予想する程度があるってこと。

マーケットは期待や予想、希望に欲望、焦りに慎重さ、まあとにかくいろいろがごちゃ混ぜになるわけだから、コンセンサス的な見通しどおりに動くわけはない。

I expect the recession will end sometime later this year. That would make it the longest and probably deepest downturn since the Great Depression.

(中略)

I don’t like taking the wind out of the sails of our economic expansion, but a few cautionary points should be considered. I expect the pace of the recovery will be frustratingly slow. It’s often the case that growth in the first year after a recession is very rapid. That’s what happened as we came out of a very deep downturn in the early 1980s. Although I sincerely wish we would repeat that performance, I don’t think we will. In past deep recessions, the Fed was able to step on the accelerator by cutting the federal funds rate sharply, causing the economy to shoot ahead. This time, we already have our foot planted firmly on the floor. We can’t take the federal funds rate any lower than zero. I believe that the Fed’s novel programs are stimulating the flow of credit, but they simply aren’t as powerful levers as large rate cuts, so this time monetary policy alone can’t power a rapid recovery.

History also teaches us that it often takes a long time to recover from downturns caused by financial crises. In particular, financial institutions and markets won’t heal overnight. Our major banks have made excellent progress in establishing the capital buffers needed to continue lending even through a downturn that is more serious than we anticipate. But they are still nursing their wounds and credit will remain tight for some time to come.

I also think that a massive shift in consumer behavior is under way?one that will produce great benefits in the long run but slow our recovery in the short term. American households entered this recession stretched to the limit with mortgage and other debt. The personal saving rate fell from around 8 percent of disposable income two decades ago to almost zero. Households financed their lifestyles by drawing on increasing stock market and housing wealth, and taking on higher levels of debt. But falling house and stock prices have destroyed trillions of dollars in wealth, cutting off those ready sources of cash. What’s more, the stark realities of this recession have scared many households straight, convincing them that they need to save larger fractions of their incomes. In the long run, higher saving promises to channel resources from consumption to investment, making capital more readily available to retool industry and fix our infrastructure. But, in the here and now, such a rediscovery of thrift means fewer sales at the mall, and fewer jobs on assembly lines and store counters.

A fourth factor that could slow recovery is the unprecedented global nature of the recession. Neither we nor our trading partners can count on a boost from strong foreign demand. Finally, developments in the labor market suggest it could take several years to return to full employment. During this recession, an unusually high proportion of layoffs have been permanent as opposed to temporary, meaning workers won’t get called back when conditions improve. Also, we’ve seen an unprecedented level of involuntary part-time work, such as state workers on furlough a few days per month. Those workers are likely to return to full-time status before new workers are hired. To summarize, I expect that we will turn the growth corner sometime later this year, but I am not optimistic that the economy will spring back to normal anytime soon. What’s more, I expect the unemployment rate to remain painfully high for several more years.

That’s a dreary prediction, but there is also some risk that things could turn out worse. High on my worry list is the possibility of another shock to the still-fragile financial system. Commercial real estate is a particular danger zone. Property prices are falling and vacancy rates are rising in many parts of the country. Given the weak economy, prices could fall more rapidly and developers could face tough times rolling over their loans. Many banks are heavily exposed to commercial real estate loans. An increase in defaults could add to their financial stress, prompting them to tighten credit. The Fed and Treasury are providing loans to investors in securitized commercial mortgages, which should be a big help. But a risk remains of a severe shakeout in this sector.

ちょっとニュース
アメリカ マクロ経済

2009/07/03 11:11

ポイントとワークマンの6月月次、買うとすれば数字が悪い方

~ 数字が良いから株を買うもいいけど、将来の数字改善を考えて買うのも悪くない。 ~

200907021.gifポイントの6月月次数字。

国内月次売上高前年比に関するお知らせ

全店が117.4%、既存店が100.7%。客数では全店124.3%、既存店が106.4%。今2月期ここまででも既存店の客数は101.9%。

6月は休日が前年より1日少なくてこの数字です。ずいぶんお客さんが戻ってきているような感じがありますねえ。

一方、ワークマンの6月月次は相変わらず厳しい。

200907022.gif平成22 年3月期 月次前年比速報に関するお知らせ

全店が90.4%、既存店は89.6%。

作業着なので、カジュアル衣料とは違って、実需がほぼ100%と言える。カジュアル衣料であれば、景気が悪くても「最近服買ってないし景気悪いけどそろそろ何か買おう」という流れだって十分あり得る。作業機はそうは行かない。

仕事があって、作業着がボロくなって、初めて買おうと思う。

ポイントとワークマンと月次数字を比較すればどう考えたってポイントが良い。今後しばらくでもポイントの方が良い数字が出てきそうでしょ。

でも株を買うことを考えると、ここでどちらかを買うのであればワークマンになるんじゃないですか?数字の改善を考えて買うわけですけど、それはどんな投資でも当たり前。タイミングが重要ですな。

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アパレル・ファッション銘柄
アパレル ファッション ポイント ワークマン 作業着 小売り

2009/07/03 11:11

日本のマクロ経済を見るには鉱工業生産が一番的確でしょう

~ 鉱工業生産は底を打った、しかし絶対値的にはピークにはほど遠く、そこまでの回復は長い。 ~

とりあえず現在の経済状況は、マクロデータ的には不景気の底から這い上がっている段階。出てくる指標数字は、悪いけど悪さの程度が今までよりはマシ、というもの。ここら辺りで一度整理しておく。

ちなみに、下記のデータ等は新光総合研究所(だったと思う)のレポートからです。URLを失念。探したけれど見つからない。すみません。

鉱工業生産・出荷・在庫率の推移。鉱工業生産は底を打ったように見える。絶対値で見ればピークからはずっとしたに位置しているし、ピークまで回復するのはずっと遠い将来でしょう。

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鉱工業生産の業種別寄与度。5月には全ての業種で前月比プラスになった。特に車が調子良い。ハイブリッドが売れているし、減税やらで消費者の心がくすぐられているって事ですか。

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小売りとコンビニの販売額。百貨店は悲惨ですな。百貨店というビジネスモデルはもうずっと昔から成り立っていない。それでも真剣に手を打とうとしている百貨店は無い。コンビニはタスポ効果で好調だったけれど、ここからは厳しいでしょう。

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小売業販売額、業種別の寄与度。燃料は売れるとか売れないじゃない。原油価格が問題。

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百貨店とスーパーの比較。

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前後するけど1980年からの鉱工業生産指数。見事な急落と今のところのリバウンド。

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鉱工業生産関連と小売り関連のデータだけですが、日本の場合、それだけ見ておけばほぼ事足りるかと。

統計・資料・調査
スーパー マクロ 小売り販売額 経済指標 鉱工業生産指数

2009/07/03 11:11

ダヴィンチが250億円の借金に苦労するのは低株価だから

~ 株価が低くて新株予約権が転換されない、耳揃えて返すか返済期限の延長か、さて。 ~

ダヴィンチ・ホールディングスの資金繰り。

借入金の一部期限前弁済並びに自己新株予約権の取得及び消却に関するお知らせ

この250億円は既に1Q発表の時に出てきた問題なのですけど、まだ片が付いていなかったのね。弁済期限は2010年3月なので、そんなには焦る必要はないって事ですか?

もともとは新株予約権が行使されることでBNPパリバからの250億円がちゃらになる計画だったわけでしょ。それがこれだけの低株価で実現しなくなった。だから耳揃えて返すか、弁済期限を延長するか、なんとかしないといけない。

今回は30億円を期限前弁済するってことで、25,000個の新株予約権のう3,000個を取得して消却。これによって、

現在当社は本借入についてBNPPIJ 社と最終弁済期限延長のための協議を行っております。今回の一部期限前弁済はこの協議の円滑化に寄与するものと考えております。

ということで、弁済期限延長協議が円滑に進むらしい。

ここのところ、不動産銘柄がビュンビュンと値を飛ばしていますけど、流動化銘柄の筆頭でもあるダヴィンチの伸びがイマイチ良くない。この250億円(残り220億円)について心配しているからでしょうかね?そうじゃないとは思うけど。。。。

不動産・マンデベ・流動化
ダヴィンチ・ホールディングス ファンド 不動産 流動化

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